「自社の現場に合ったシステムがなかなか見つからない」
「フルオーダーで自社に合わせると初期投資が高額過ぎて手が出せない」
DX化を検討している企業で、このような悩みを抱える方も多いと思います。
この記事では必要な機能だけを選べるセミオーダー型生産管理システム『FUSE』を紹介します。
フルオーダーよりも費用を抑えやすく、自社の要件に合わせられる機能が豊富なシステムですが
メリットと導入時の注意点も含めて解説します。
製造業DXを実際に作って検証しています
製造業のDXツールは導入事例が多いですが、「実際に作ってみた検証記事」はあまり多くありません。
当ブログではノーコードで作れるAIワークフローツール
- Dify
- Make
これらのツールを使って日報解析DXツールを構築、検証しています。
プログラミング知識なしで出来る、ノーコードツールでつくる製造日報解析システムの制作過程を
▼【ズボラDX研究所】で連載しているので合わせてご覧ください。

FUSEの概要
FUSE(フューズ)は、カイゼンナビ(日本コンピュータ開発)が提供する
中小製造業向けのセミオーダー型生産管理システムです。
21個の機能から「必要なものだけ」を選んで組み立てられるため、大手向けのフルパッケージにありがちな
「使わない機能まで買わされる」事態を避けやすいのが最大の特徴と言えます。
製造現場では紙の帳票やExcel管理といった文化がまだまだ深く根付いているので
- 「まずは紙とExcelの管理から脱却したい」
- 「でも職人さんがPCを嫌がる」
という工場には、現実的に導入しやすい選択肢の一つになります。
使いやすさで評価されており(ビジトラAward 2025 生産管理システム部門など)、
継続利用率100%という数字も、導入後に棚上げされずに現場に根付いているのが分かります。
ただし、初期費用や要件定義の重さはあるので、「安いクラウドツール」とは違い
コスト感と投資回収をきちんと見たうえで、「自社のやりたいこと、業務改善できるイメージ」を明確にすることが大切と言えます。

FUSEの特徴
FUSEの最大の特徴は『21機能から選べるセミオーダー構成』
- 見積・受注
- 生産計画
- 工程管理
- 作業実績
- 進捗管理
- 不良管理
- 図面・作業動画の管理
- 在庫管理
- BIダッシュボード
- RFID連携 など
工場でよく使う機能が一通り揃っています。
また、全部入りではなく「今必要な機能」で組み立てられるので、
予算と課題に合わせて、必要な分だけを選ぶという選択が出来るのが最大の特徴です。
直感的な操作性
- 「PCが苦手」
- 「現場の油汚れで手が汚れたまま触りたくない」
このような現場の「あるある」を元に設計されているため
パッケージによっては複雑な画面を極力なくしたデジタルが苦手な人向けの構成も選べます。
製造計画ボードはホワイトボード+付箋のような感覚で操作でき
計画ガントチャートは納期遅れリスクを色で直感的に把握できます。
利用者数による追加ライセンスなし
ここは地味にありがたいポイントです。
人数が増えてもライセンス追加料がかからないため、
工場全体で同じ画面・同じデータを見せる運用にしやすく、工場運営をスムーズに進めるのに欠かせないところです。
どうしても工場は規模によって敷地面積も広くなってしまうため
使える端末などが限られてしまうと、端末に入力するために広い敷地内を行ったり来たりという
「時間のムダ」に繋がってしまいます。
追加ライセンス量がかかると、毎月の支払いが増えてしまうため経営者目線だと台数制限してしまいやすいのですが
費用が変わらずに複数人で扱えるというのは、工場運営していく中で地味だけど大切なポイントと言えます。
属人化の解消と技術継承
作業動画や図面を指示書に紐づけて管理できるため、
熟練者の知識や技能を「見える形」で残すことが出来ます。
人手不足の中で、教育の度に熟練者の手を止めてしまうのは生産性の低下や教育コストがかかってしまいますが
一度作業手順や作業のポイントを登録してしまえば、熟練者の作業を止めることなく
若手、新人への育成、技能継承が出来ます。
手厚い導入後サポート
工場にどんな機能が必要か、要件定義から、導入後の運用支援まで
専門スタッフがフォローする体制で導入後のサポートも可能です。
保守にかかる費用は導入するパッケージプランによって別途お見積りになりますので、導入時に検討ください。
現場目線で見た3つのメリット
1)「誰が何をやっているか」が一目で分かる
進捗や計画を大型モニタやタブレットで共有する機能があるため
経営者や管理者が工場を駆け回って「今どんな状況?」と聞かずとも一目で進捗が分かります。
FUSEを導入した企業の事例だと管理時間が1/4に減ったという声も。
現場にとっては「監視」に感じる場合もあるが、
納期問い合わせに即答できる「見える化」は
営業や顧客対応をスピーディにすることが出来ることと
現場にとっても「時間を取られる余計な問い合わせが減る」というメリットがあります。
(2)紙とExcelの二重管理から抜け出しやすい
生産実績や不良データが手書き帳票や個人のExcelに散らばっていると、
- 集計に時間がかかる
- 情報を見るのに特定の人に聞かなければならない
- 過去の不具合の原因が即座に情報を見れず、同じミスをしてしまう。
情報が見えないということは工場にとって致命的なミスを産む可能性があります。
現場目線では「入力の手間が増える」と不満が出る可能性はあるが
データ入力を習慣化さえできれば、FUSEはデータを一元管理することができるので
- BIダッシュボードで不良率・生産効率の推移などを可視化できる。
- 月末のExcelの集計地獄から脱却できる
- 監査資料を探す時間が大幅に短縮できる
このようなお金を産まない業務を大幅に減らすことが出来るため
- 本来の製造に時間を集中することが出来る
- 集計や管理の時間を削減でき、最適な人員配置を検討出来る
といったメリットが大きいと言えます。
(3)熟練者の技を「形」に残せる
作業動画や図面を指示書に紐づけて管理できるため、「口頭と手本だけ」の技術継承を
動画とメモで「いつでも見れる教育資料」として運用できます。
職人さんによっては「自分のやり方を録られるのは嫌」という方もいると思いますが
退職・異動リスクを考えたとき、技術やノウハウを残すための手段としても活用できます。
導入前に知っておくべき懸念点
ここまではFUSEの機能やメリットをお伝えしましたが、導入にあたって注意したいポイントもあります。
①初期費用の重さ
まず最初に気になるのはコスト感です。
- パッケージ料金(目安:税抜60万円~)
- 要件定義(税抜240万円~)
- 環境構築(オンプレ参考:税抜185万円前後、クラウド参考:税抜120万円前後)
これらの初期費用が必要になってきます。
基本機能のみでも税抜144万円~182万円程度という試算もありますので
「気軽な月額SaaS」というよりもは『ある程度の投資』として見ておく必要があると言えます。
ただ、これだけ多数の機能を持っていること、最初は必要最小限の機能からスタートして
運用に慣れたらその後で機能を拡張できるというカスタマイズ性を考えると
導入するメリットを考えたときには、かなりお得な金額ではないかと思われます。
②現場の反発と入力負荷
これはFUSEに限らず生産管理システム全般に言えることですが
- 「監視されている」
- 「今までの裁量や段取りを奪われる」
と感じる職人も必ずいるでしょう。
また、実績入力や進捗登録が日々の作業に上乗せされるため
現場にも「入力のための時間」を業務に組み込んであげないと、入力が適当になるか、結局紙に戻ってしまうリスクも考えられます。
導入する際には経営層からの「全員で運用する」という方針はもちろん
現場責任者も交えて実際に運用していくための事前準備が重要です。
導入してからでは現場からすると「余計な手間が増えた」と捉えかねられないので
管理者、製造責任者も交えてツールを導入する前に、運用方法や目的を整理するのが大切と言えます。
ツール導入する前に整理したいポイントはこちらの記事で解説しています。

③要件定義とカスタマイズ、保守費用
自社の生産形態(受注生産・ロット・連続など)や、既存の基幹・会計との連携をどうするかで
要件定義の工数やカスタマイズ費用が膨らむ可能性があります。
「とりあえず入れてから考える」ではなく、導入目的と優先課題をはっきりさせてから進めた方が余計な出費を抑えられます。
アプリケーションの保守費用は月額で目安:税抜4.2万円 =約50万円/年
クラウド利用の場合は年額:税抜30万円前後
これらの費用が初期費用とは別に掛かるので
ランニングコストがどれくらいになりそうかも含めて、費用対効果を検討する必要があります。

まずは初期投資を抑えたいという方は、機能特化のシステムもこちらの記事で紹介しています。

投資回収イメージ
IT導入補助金
FUSEはIT導入補助金の対象となっているため、
これから導入を検討しようという企業はこういった補助金も有効活用しよう。
補助率は通常、投資額の1/2以内、条件を満たす場合は2/3以内が目安となっています。
プロセス数に応じて補助上限(例:150万円未満~450万円以下)があるため、
要件を満たせば初期費用の相当部分を補助で賄い、実質負担を大きく抑えられます。
補助金の年度・条件は毎年変わるので、導入年度の要綱をしっかりと確認して検討してください。
参考:【デジタル化・AI導入補助金2026】デジタル化・AI導入補助金2026の概要について
【デジタル化・AI導入補助金】
投資回収の考え方
FUSEを導入することによって
- 「事務作業時間の削減」
- 「納期遅れの減少」
- 「監査資料の準備時間短縮」
などが実際に導入した事例の中でも紹介されています。
- 削減した工数×単価
- 特急対応・不良再発の減少を粗利に換算
- 初期+3年程度のランニングと比較する
このように分解することで回収イメージを描きやすいです。
また、導入する機能にもよりますが業務効率化によって見えない人件費を削減できるメリットもあるため
新たに人を雇う人件費と比較すれば、長期的にみても『情報』という資産が残るため導入のハードルは下がるのではないでしょうか。
向いている会社 / 向いていない会社
向いている会社
- – 紙+Excelの二重管理や属人化に限界を感じている中小製造業。
- – 納期遅れ・進捗の見えなさ・不良の追いにくさを解消したい工場。
- – 現場にPCが苦手な層がいても、「使いやすさ」を売りにしたツールで一歩ずつデジタル化したい場合。
- – 技術継承や多能工化を進めたいが、仕組みがなく困っている会社。
- – 予算はある程度確保できるが、大手向けフルパッケージは重いと感じる会社。
- – IT導入補助金を活用して初期負担を抑えたい会社。
向いていない会社
- 「とにかく安く、今月から」と、月額数千円クラスのツールを想定している場合。
FUSEは初期・保守ともに一定のコストがかかる。 - 経営層が関与せず「全部任せる」状態で、現場の声も反映されないまま導入を進める場合。
生産管理システムは『目的の共有と現場の巻き込み』がないと浸透しにくい。 - 自社の生産方式や業務フローをほとんど把握せず、「とりあえずシステムを入れてから考える」というスタンスの会社。
要件がブレやすく、過剰カスタマイズや使われない機能を入れることに。
個人的なFUSEの評価
正直、一個人が評価なんていうのもおこがましいとは思うんだけれど
百も承知で、ここからは個人的にはどう思うかという感想を書きたいと思います。
- 製造業一筋で約20年
- 現場経験は10年ほど、成形工場を赤字➔3か月で黒字回復したことも
- 外部との交流(1000社ほど)もあり、様々な工場も見てきた
- この道一筋何十年というスペシャリストではないが、製造業のことは幅広く知っています
正直言うと今のAIブームのご時世でプログラミングが出来ない人でも、アプリを作れたりする中で
私は安易に「どんな工場にでも使いやすいシステムを作ればいいんじゃないか」
と思って構想を練っていたのですが
まさにこのFUSEとやりたいことがダダ被りしていたということで、この記事で紹介しようと思いました。
製造業ってホントに難しくて、別の記事でも書いてあるように「会社によって全然違う」んですよね。
ここでは割愛しますが、そんな「色んな形がある工場」に合わせて必要な機能をカスタマイズできるというのは
FUSEの最大の魅力とも言えます。
また工場を拡大したりするのに伴って機能を追加したいとなっても
FUSEのシステムで「工場で管理したい項目」はほぼ全てといっていいくらい網羅できるんじゃないかと。
ただ、良いことばかり書いてますが決して広告とかステマじゃないです。
日本コンピューター開発さんから広告費もらえるようになったら、もっと良いこと書きます!
ただデメリットというか、これだけのオプション、機能があるので仕方ないといいますが
初期費用の重さはやっぱり考慮しなきゃいけないポイントかなと。
要件定義に240万円という金額はやっぱり二の足を踏む企業もいるだろうなというのが正直な話です。
この金額感を考慮すると、
- 少なくとも年商10~20億円以上の規模
- 従業員も50人前後~ (人が増えて情報が分散しているなど)
- 管理が煩雑になりやすい、多品種小ロットや大量生産をしている工場
この辺りが目安になりそうかなと思いますね。
IT補助金が出るので、大部分を賄えそうですがそれでも決して安くないので
何も考えずに「とりあえず入れてみるか」っていう気軽なツールではないのは確かです。
ですが、会社方針にもよりますが、品目が増えれば増えるほどシステム導入の負荷も大変になるので
今後規模を拡大していくようなら、品目が少ないうちからシステムに慣れておく、という考え方もアリかとは思います。
まとめ
FUSE(カイゼンナビ)は、中小製造業が「紙とExcel」から一歩進んで、
生産計画・進捗・不良・技術継承を一元管理したいというニーズに、
機能の選びやすさと使いやすさで応えるセミオーダー型の生産管理システムです。
「PCが苦手」「監視されたくない」
という現場のあるあるを意識した使いやすいレイアウト設計と、
導入後の伴走サポートで、継続利用率100%という実績を出しています。
- 初期・ランニングのコスト感
- 現場を巻き込んだ目的の共有と入力ルールの設計
- IT導入補助金を前提にした投資回収のシミュレーション
これらを明確にして導入することで、多くの中小企業で必要十分な機能を備えているツールになっています。
- 「なぜか最近キャッシュフローが悪くなっている」
- 「現場が今どういう状態なのかが分からない」
こういった悩みを持つ経営者にも応えられる上に、初期投資はIT補助金で負担を軽減させ
年間のランニング費用も一人分の人件費よりも大幅に安いと考えたら、良い投資ではないでしょうか。
「DXを進めたいがどんなツールにしようか悩んでいる」
そんな企業には『生産管理システム FUSE』は最適な選択肢の一つになるでしょう。

FUSE以外にどんなツールがあるか知りたい方は、こちらの厳選ツールを比較した記事を参考にしてください。


